桜の花が心ゆくまで春を楽しんで咲き誇り、入れ代わるように、この城山、勝山に若葉が青く芽を出そうとする、この春の佳き日に、松山東雲中学・高等学校の入学式を、御来賓のPTA会長様の御臨席を得て挙行できますことを、心から感謝申し上げます。
ただいま、中学生39名、高校生101名の皆さんの入学を許可いたしました。新入生の皆さんは、大きな希望と少しの不安を抱かれていることと思います。不安は、一日一日と学校生活を送っていくうちに消えていくと思います。分からないことや困っていることは、口に出し、親身な先生や優しい上級生の皆さんに尋ねてみてください。必ずや親切に対応してくださいます。また、新しいクラスメートに声をかけてみてください。あいさつから人間関係が広がり、友情が育まれていくものです。東雲は、温かい学校です。
さて、新入生の皆さんには、在校生の皆さんと共に、本校の今年度の重点努力目標である、「心に 愛と 希望と 勇気を ―未来のために 今を生きる― 」という言葉を贈ります。キリスト教の教えを人間教育の基盤とする本校は、今年で、創立136年目を迎えました。愛とは、「思いやり」や「優しさ」です。家族や友達など周りの人を愛し、またかけがえのない自分自身も大切にしていきましょう。希望とは、「望み」、「願い」、「将来に対する明るい見通し」です。苦しいときや困ったときも希望を忘れないで、前を向きましょう。勇気とは、一歩前に踏み出す勇気です。例えば、電車でお年寄りの方が立っていらっしゃるとき、なかなか席を譲ることができないときがあります。そのようなときに、行動に移せる勇気をこの「東雲」で養っていきましょう。新しく出会った友達に、優しい言葉をかける勇気をこれからも育んでいきましょう。皆さんは、中学生、高校生として本校で学んでいきますが、それはより良い未来を築くためです。輝く未来のために、今を精一杯生きていきましょう。
皆さんが、これから過ごしていく学び舎は、松山城の木々に囲まれ、季節の移ろいとともに、時を刻んでいきます。ここで学んだ先輩たちは、青春の汗と涙を流しながら、日一日と大人への階段を上っていきました。皆さんもまた同じように、この東雲中学・高等学校で成長し、大人になっていきます。自由でのびのびとした学校生活を送り、卒業するまでには、自分の「志」を果たすための基盤をしっかりつくって、大きく羽ばたいていってください。「東雲」で得た友達は、かけがえのない「一生の宝物」です。心通わせる友がいて、優しく時には厳しく支え導いてくださる先生がいて、温かい居場所のある学校、それが「東雲」です。
保護者の皆様、本日はおめでとうございます。お子様の晴れの日を迎えられて、お喜びもひとしおのことと存じます。私ども教職員一同、大切なお子様をお預かりします以上は、東雲に来てよかったと思って卒業していただけるよう、力の限り教育に当たりたいと考えておりますので、どうか、家庭と学校が車の両輪となってお子様の成長を支えることができますよう、連携・協力をお願いいたします。
「心に 愛と 希望と 勇気を ―未来のために 今を生きる― 」
勝山の若葉は、実りの時をめざして、これからさらに生長していきます。皆さんも、青々と葉を茂らせる若葉のごとく、どんどん成長し、自分の志を果たすため、この東雲中学・高等学校で、かけがえのない自分を作り上げていかれることを切に願って式辞といたします。
2022年4月11日
松山東雲中学・高等学校
校長 染田 祥孝