2024年4月9日火曜日

入学式 式辞

桜の花も名残を惜しんで咲き誇り、城山の若葉の緑が鮮やかさを増す、まさに春爛漫の今日の佳き日に、松山東雲中学・高等学校の入学式を、御来賓の皆様の御臨席を賜りまして挙行できますことを心から感謝申し上げます。
 ただいま、中学生37名、高校生113名の皆さんの入学を許可いたしました。新入生の皆さんは、大きな希望と少しの不安を抱かれているのではないかと思います。不安は、一日一日と学校生活を送っていくうちに消えていくと思います。分からないことや困っていることは、口に出し、親身な先生や優しい上級生の皆さんに尋ねてみてください。必ずや親切に対応してくださいます。また、新しいクラスメートに声をかけてみてください。あいさつから人間関係が広がり、友情が育まれていくものです。東雲は、温かい学校です。
 さて、本校は、県下唯一の女子校です。キリスト教の精神を人格形成の基礎として、これからの男女共同参画社会を担う、「品性」「知性」を兼ね備えた、協働できる女性の育成を目指しています。
このことについて、今日は4点お話します。
 1点目は、キリスト教の精神について、特に「愛」を重視しているということです。人を大切にし、思いやりの心を持って接していきましょう。自分自身も大切にし、今の自分を好きになりましょう。そして、人の過ちや「良くないところ」を許していきましょう。寛容の心を持つことも「愛」です。
 2点目は、「品性」について、茶道、華道、お箏、なぎなたなどの伝統文化を学びながら、挨拶や言葉遣い、立ち居振る舞いなどに磨きをかけ、世界に通用する「東雲lady」になりましょう。
 3点目は、「知性」について、将来の自分のために、しっかりと勉強をいたしましょう。本校を卒業したのち、保育士を目指す人、食物栄養の道に進む人、看護士の勉強をする人、芸術家になる人、アスリートになる人、学校の先生を目指す人、お医者さんになる人、様々です。自分の人生を歩むために、今、努力をしましょう。
 4点目は、協働する力(みんなで協力して仕事をする力)について、現代社会では、チームで仕事をすることが一般的です。その時に求められるのが、自分の考えをしっかり持ち、それを穏やかに相手に伝え、人の意見も尊重し、全体的な視野を持って、事を進めていくということです。この「協働する力」を3年間、あるいは6年間で身につけていきましょう。
 保護者の皆様、本日はおめでとうございます。お子様の晴れの日を迎えられて、お喜びもひとしおのことと存じます。私ども教職員一同、大切なお子様をお預かりします以上は、東雲に来てよかったと思って卒業していただけるよう、力の限り教育に当たりたいと考えておりますので、どうか、家庭と学校が車の両輪となってお子様の成長を支えることができますよう、連携・協力をお願いいたします。
 「愛」「品性」「知性」「協働する力」を育み、皆さんが、未来のために、この東雲中学・高等学校でかけがえのない自分を作り上げていかれることを切に願って式辞といたします。

2024年3月18日月曜日

修了式  式辞 

 松山城の木々も春めこうとする今日の佳き日に、御来賓の御臨席を賜り、2023年度松山東雲中学校の修了式を挙行できますことは、我々教職員一同、この上ない喜びであり、本日ここにお集まりくださいました、すべての皆様に厚く御礼申し上げます。
 とりわけ、卒業生の保護者の皆様には、本校入学以来、健やかな成長を願われての日々、「朝なかなか起きてこない」「あれほど好きだった部活を、突然やめると言い出す」「食が進まない」「笑顔が消える」など、様々な御苦労や御心配がお有りだったと思います。たくさんの苦難を乗り越え、本日、お子様は晴れの御卒業となりました。心からお慶びを申し上げます。
 ただ今、卒業証書を授与いたしました31名の卒業生の皆さん、おめでとうございます。皆さんの、これまでの学習における頑張りや、体育祭、クローバーディ、スプリングフェスティバルなどの各種行事、部活動での活躍ぶりは、たいへん素晴らしく、私はいつも感心させられました。とりわけ、あいさつ、お辞儀、掃除態度は、天下に誇る「東雲レディ」の伝統となっています。
 中国の古典に「人の短を言うことなかれ。己の長を説くことなかれ」という言葉があります。「他人の短所をとやかく言ってはならない。自分の長所を誇って口にしてはならない」という意味です。人の悪いところを口にすることは、その人の前でも、陰でも慎みましょう。また、自分の自慢話は控えましょう。人の良いところを見つけ、それを相手や他の友達に伝え、自分も見習っていくようにしましょう。そうすれば、おのずと、人があなたを褒めてくれるようになるでしょう。人の「良いところ探し」は、あなた自身を大きく成長させてくれるはずです。
 これからの社会では、「人間関係を築く力」が重要とされていますが、今、さらに、求められているのは「人間関係を元に戻す力」です。そして、修復していくための手立ては、昨日までと変わらない「笑顔」と「元気な挨拶」です。まさに、人間関係をよりよく築いていく手立てと同じ「笑顔」と「挨拶」です。
 卒業生の皆さん、「笑顔」と「元気な挨拶」を心がけ、心に「愛」を持って、人に優しく接していきましょう。「希望」と「勇気」を持って、社会をより良く変えていきましょう。
 親元を離れて3年間頑張った人、これから親元を離れていくという人、様々な人がいますが、卒業生の皆さんが、新しいステージで、自らの一歩を踏み出されることを心から応援しています。ますますの御健康と、洋々たる前途に幸多からんことをお祈りして式辞といたします。

2024年3月8日金曜日

弥生の第2週です

 今週は、3月の第2週です。卒業式で高校3年生を送り出し、少し寂しい気持ちにもなりますが、国公立大学を目指していた人たちが、念願の志望校に合格するという明るい知らせも届き、心が和む春の日です。
 水曜日は、「しののめキッチン」が高校生を対象に開かれ、私も「三色丼」をおいしくいただきました。とりそぼろと卵の調和がとれていて、緑のほうれん草が栄養たっぷり感を醸し出していました。桜餅には、本物の桜の花びらが添えられていて、季節感満点のデザートでした。

 中学3年生は、先週の土曜日から、オーストラリアへ修学旅行に行っていましたが、7日の木曜日に、全員無事で学校に帰ってきました。参加者の皆さんは、様々な経験を積んで、出発前よりも一段とたくましくなっていました。写真や詳しい内容は、また後ほど、インスタグラムでアップされると思います。

 金曜日には、中学1年生のお茶会に参加させていただきました。1年間の修練で、立ち居振る舞いが洗練され、お茶の作法がしっかりと身についていました。「茶の湯」という、静寂な空間をみんなで創り上げることができていました。中学2年生には、お花を生けていただきました。「雪柳」の白と、「椿」の緑、「小菊」の黄色の3色のコントラストが美しく、「雪柳」の枝ぶりのダイナミックさが部屋全体に活気を生み出しています。
 今日の会話は、「春休みにしたいことは何ですか」という問いに対して「部活にゆとりがあれば、祖母の家を訪れたいです」「時間があれば、桜の花見をしたいです」「県外に居る友達に会いたいです」という答えが返ってきました。皆さんの「春休み」の予定はいかがでしょうか。

 まだ寒い日もありますが、弥生第2週が終わりました。皆さんにとりまして、すてきな週末となりますように。


2024年3月1日金曜日

卒業式  式辞

 厳しかった冬が過ぎ、松山城の木々がうっすらと春色をまとい始めようという今日の佳き日に、御来賓の皆様の御臨席を賜り、第75回松山東雲高等学校の卒業証書授与式を挙行できますことは、我々教職員一同、この上ない喜びであり、御臨席を賜りました皆様方に厚く御礼申し上げます。
 また、卒業生の保護者の皆様には、本校入学以来、お子様の健やかな成長を願われての日々だったと思いますが、ある日突然、あれほど好きだった部活動をやめると言ったり、朝ご飯を食べなくなったり、笑顔が消えて無口になったりと、様々な御苦労や御心配がお有りだったと思います。様々なドラマを繰り広げながら、本日、お子様は、艱難辛苦を乗り越えて、晴れの御卒業となりました。心からお慶びを申し上げます。
 ただ今、卒業証書を授与いたしました78名の卒業生の皆さん、おめでとうございます。皆さんの、これまでの学習における頑張りや各種行事、部活動での活躍ぶりを見て、私はいつも感心させられました。特に、最高学年になった、今年一年、体育祭やクローバーディなどで、皆さんは、自分たちの良いところを遺憾なく発揮されました。
 さて、皆さんが踏み出そうとしている社会は、さまざまな分野において、急激な変化や改革が進んでおり、時として戸惑いや焦りを感じることがあるかもしれません。しかし、恐れることはありません。皆さんは、本校で「優しさ」という、誇るべき力を身につけてきました。これから先、「優しさ」はどのようなときも、あなたを助けてくれるはずです。
 昭和の時代に、体の不自由な子供たちのために私財を投じて「ねむの木学園」を建設された、女優の宮城まり子さんは、「ねむの木のこどもは優しいの。病気を我慢して乗り切ったから優しいの。次は人に優しくすることを覚える。優しいことは強い」とインタビューでおっしゃっていました。
 様々な困難や苦労を、心の肥やしとして身につけた「優しさ」は、闘うための武器ではなく、闘わない、争わないための「支え」となるものです。
 これは、本校の重点努力目標、「心に愛と希望と勇気」をの、「愛」と深く関わります。相手への思いやりを持ち、人も、自分自身も大切にする「愛」。そして、どのような他者であっても、その人の苦しみや悲しみを想像することで、結果としての「罪」や「過ち」を許してあげる「寛容さ」。これもまた「愛」であります。
 皆さんは、「愛」を大切にしてきました。そして、他者を思いやり、優しい気持ちで接し、「過ち」を許す広い心を養ってきました。
 これからの社会では、「人間関係を築く力」「人間関係構築力」が重要とされていますが、さらに今、求められているのは「人間関係を元に戻す力」「人間関係修復力」であります。そして、修復していくための手立ては、昨日までと変わらない「笑顔」と「元気な挨拶」です。まさに、人間関係をよりよく築いていく手立てと同じ「笑顔」と「挨拶」です。
 卒業生の皆さん、「笑顔」と「元気な挨拶」を心がけ、心に「愛」を持って、人に優しくしていきましょう。「希望」と「勇気」を持って、社会をより良く変えていきましょう。「東雲レディ」として、人に優しい、ほっとするような、温かみのある社会を創っていきましょう。

 それでは、いよいよ旅立ちの時がやってきました。卒業生の皆さんが本校を巣立ち、新しい世界で、自らの新しい一歩を踏み出されることを、この「東雲」の優しい先生方は、心から応援しています。皆さんのますますの御健康と、洋々たる前途に幸多からんことをお祈りし、式辞といたします。

2024年3月1日
               松山東雲高等学校長  染田 祥孝

2024年2月16日金曜日

学年末考査です

 今週は、2月の第3週です。少し暖かい日があったかと思えば、朝が1℃と冷え込む日もありました。それでも、春遠からじです。
 先週末は、高校1年生は秘書検定が行われました。休みの日にご苦労様でした。全員が無事合格されることを願っています。
 水曜日は、学校保健委員会が開催されました。生徒の皆さんによって、保健委員会の取り組みも紹介され、学校医の先生方から、本校の生徒の皆さんの健康・安全への取り組みを高く評価していただき、お褒めの言葉をいただきました。女子校としてさらに健康の維持・増進を図り、社会を支える「lady」として、たくましく成長してまいりましょう。
 また、木曜日は、「しののめキッチン」が高校生を対象に開かれ、私も温かい「クリームシチュー」をおいしくいただきました。バレンタインデーにちなんだハート型をしたキャロットがアクセントとなり、おいしさをいっそう引き立ててくれました。ブロッコリーとベーコンの炒め物の中の「レンコン」がサクサク感を醸し出し、デザートのチョコムースがしっとりとした味わいを奏でていました。おしゃれで、おいしいランチをご提供くださいました保護者の皆様、ありがとうございました。
 金曜日からは、学年末考査が始まり、皆さんにとって、今年度の総仕上げの時期となりました。この長いテスト期間を乗り切って、やがて来る「春」を大いに楽しみましょう。
 また、金曜日はPTAの役員会が開催されました。この1年間の活動を振り返りましたが、高校3年生の保護者の皆様にとりましては、お子様と一緒に「東雲」をご卒業される方もいらっしゃって、6年間、あるいは3年間の思い出が詰まった、感慨もひとしおの役員会となりました。

 土曜日、日曜日は、小学生のバレーボール大会である「潮見ファインカップ」が本校等を会場として行われます。熱戦が繰り広げられ、心に残る大会となりますことを願っております。
 テストで忙しいでしょうが、皆さんにとりまして、すてきな週末となりますように。

2024年2月9日金曜日

如月の第2週です

 今週は、立春を迎えての、2月の第2週です。寒さは相変わらずですが、春遠からじです。
 火曜日、水曜日と東雲高校の一般入試が行われ、約70名の皆さんが、真剣に入試問題に取り組みました。また、少し緊張はあったかもしれませんが、面接で自分の考えをきちんと述べることができました。すばらしい受験生に幸運の女神が祝福してくださること間違いなしです。
 木曜日は、高校3年生の登校日でした。高3生から、久しぶりに元気のよい、笑顔の挨拶をいただきました。また、朝、教室の鍵を取りに来ていただいた皆さんありがとうございました。いつも、礼儀正しい皆さんに感謝、感謝です。
 また、木曜日は、「しののめキッチン」が中学生を対象に開かれ、温かい「クリームシチュー」がおなかにしみわたりました。デザートのチョコムースがまた疲れをいやしてくれました。おいしいランチをご提供くださいました保護者の皆様、ありがとうございました。
 金曜日は、中学生の皆さんの総合的な学習として、1年生にはお茶を入れていただきました。今日のお菓子は「バレンタインのハートのようかん」でした。来週がバレンタインデーですね。2年生には、お花を生けていただきました。「伊予ミズキ」と緑の「アイリス」、黄色の「小菊」を組み合わせて、清楚な雰囲気の中にも春の躍動を感じさせる空間が創造されています。

 土曜日は、新入学される中学生の皆さんの説明会が開かれる予定です。来週の金曜日からは、中学生、高校生ともに学年末考査が始まります。3連休となる週末ですが、忙しいなかにも、少しだけ、「ほっと一息」つける時間をみつけましょう。皆さんにとりまして、すてきな週末となりますように。


2024年2月4日日曜日

立春を迎えました

 先週は、1月から2月を、またいでいく週でした。寒さが厳しい中、「春遠からじ」とみんなが、暖かくなる日を待ち望んでいます。
 火曜日で、高校3年生の学年末考査が終わりました。頑張った皆さん、お疲れ様でした。また、その日は、中学校の後期試験の合格発表でした。8人の皆さんが合格され、4月から、この「東雲」の仲間になります。桜の咲く中、新入生の皆さんが校門をくぐられる日を楽しみにしています。

 金曜日は、中学生の皆さんの総合的な学習として、1年生にはお茶を入れていただきました。今日のお菓子は「紅梅」をかたどったお菓子でした。2年生には、お花を生けていただきました。ピンク色の「カーネーション」と「チューリップ」、黄色の「菜の花」を組み合わせて、まさに春爛漫のにぎやかな花かごです。3年生は、スプリングフェスティバルに向けて、箏の仕上げに余念がありませんでした。

 今日の会話は、「春を感じるのはどんな時ですか。」の問いに対して、「気温が暖かくなった時」「風が暖かくなった時。そよ風がふく時」「庭の木の葉が新しい葉にかわる時。花がいろいろな色に変わっていく時」「桜の花びらが開くのを待っている時」という答えが返ってきました。「春よ来い、早く来い」です。

 土曜日には、スプリングフェスティバルがあり、中学生の皆さんの素晴らしい発表がありました。「箏」「職場体験学習発表」「道後巡り動画発表」「ハンドベル部」「空手」「吹奏楽部」「ダンス部」「演劇部」「リズムなぎなた」「中3オリジナル劇」のほか、美術作品、英語学習、国語学習、木工作品、フラワーアレンジメント、生け花などが展示され、中学生の皆さんの多彩な才能と学習の成果が披露されました。本当に、内容が充実していて、あっという間に時間が過ぎていきました。中学生の皆さん、御来校いただきました保護者の皆様、ありがとうございました。

 週末には、高校バレーボール部の県新人大会が西条高校の体育館であり、私も準決勝、決勝と応援させていただきました。「東雲」らしく、レシーブ力が抜群で、粘り強く拾って、チャンスで決めていくという、美しいバレーボールが展開されました。結果は、決勝戦も2-0で勝ち、優勝を果たしました。
 素晴らしい週末を提供してくださった皆さん、ありがとうございました。