2022年12月20日火曜日

終業礼拝にて

 2学期が終わるに当たって、皆さんにお礼を申し上げたいことを、五つ、お話します。

一つ 「本校生徒の姿が、清廉で美しく、清々しかった」と、東京から松山に旅行に来ていらっしゃった方から、先日お葉書をいただきました。皆さんの、誠実で品のよい人柄が、立ち居振る舞いに表れていたものと思います。(全文は、前回のホームページに掲載しています。)そのように、立派に成長している皆さんに感謝しています。
 
二つ 皆さんは、きちんとしたあいさつが、よくできています。校門からの坂道で自転車を押している皆さんを追い抜くとき、きちんと止まってあいさつをしてくれます。職員室に朝、鍵を取りに来る皆さんも、元気よく笑顔であいさつをしてくれます。さわやかで気持ちのよいあいさつを、いつもありがとうございます。

三つ 皆さんは、正直でうそをつかない人が多い。人間は、だれしも過ちを犯します。ちょっとしたルールを破るときもあります。その時、正直に非を認め、素直に謝り、反省して、悪いところを良くしていこうとしてくれます。人として、素晴らしいことだと思います。

四つ 皆さんは、他の人のことを思いやり、気遣うことができる人が多い。友達だけでなく、周り(社会)の人に対して優しさがあります。

五つ 高校3年生は、「受験」の2学期でもありました。面接や小論文など各先生方の力をお借りしながら、進路実現を果たすための努力を重ねました。そのひたむきさに感心しました。

 2学期の皆さんの頑張りにお礼を申し上げましたが、最後に一つ、お願いがあります。それは、人とよりよく関わり、衝突や対立を乗り越えていってほしいということです。
 愛媛県出身のハンセン病患者で詩人の方がいらっしゃいます。当時は、強制的に社会から隔離され、人と交わることができませんでした。その方の「胸の泉に」という詩を紹介します。(全文朗読)
 「かかわったが故に起こる 幸や不幸を 積み重ねて大きくなり くり返すことで磨かれ そして人は 人の間で思いを削り思いをふくらませ生を綴る」とあります。
 人と関わることで、うれしいこともあれば、つらいこともあります。その経験を重ねて、人は成長していくものなのです。ある時は自分の心にブレーキをかけて我慢をし、ある時は夢を膨らませて理想を追求する。人は、そのようにして人生を刻んでいくのです。
 「かかわらなければ 路傍の人 私の胸の泉に 枯れ葉いちまいも 落としてはくれない」という、社会と関わることを許されなかった方の悲痛な叫びが心に響きます。今を生きる私たちは、衝突や対立を乗り越えて、日々、周りの人たちとよりよく関わってまいりましょう。