校門の桜もほころび、松山城の木々が春色をまとわんとする今日の佳き日に御来賓の皆様の御臨席を賜り、2022年度松山東雲中学校の修了式を挙行できますことは、我々教職員一同、この上ない喜びであり、御臨席を賜りました皆様方に厚く御礼申し上げます。
また、卒業生の保護者の皆様には、本校入学以来、健やかな成長を願われての日々、「朝なかなか起きてこない」「突然黙り込む」「食が進まない」「何かあったんだろうか」と、様々な御苦労や御心配がお有りだったと思いますが本日、お子様は晴れの御卒業となりました。心からお慶びを申し上げます。
ただ今、卒業証書を授与いたしました38名の卒業生の皆さん、おめでとうございます。皆さんの、これまでの学習における頑張りや、体育祭、クローバーディ、スプリングフェスティバルなどの各種行事、部活動での活躍ぶりを見て、私はいつも感心させられました。とりわけ、あいさつ、お辞儀、掃除態度は、天下に誇る「東雲レディ」の真髄でありました。
さて、皆さんは、これから新しい舞台に立とうとしています。時として戸惑いや焦りを感じることがあるかもしれません。しかし、恐れることはありません。いつの時代にあっても変わらず必要とされるもの、普遍的な価値や意味を持つものを身に付け、いかんなく発揮すれば、どのような難局も切り抜けることができると思います。
例えば、本校の重点努力目標、「心に愛と希望と勇気」をの、「愛」と「希望」と「勇気」がそうです。相手への思いやりを持ち、自分自身も大切にする「愛」。絶望的な状況に陥ってもあきらめず、力が湧いてくるまで待ち、理想を追い求める「希望」。何かを行おうとするときに一歩前に出る「勇気」。この三つの力は、皆さんが人生を歩んでいく上で、心強い味方となってくれるはずです。
最後に、坂村真民さんの、「念ずれば 花ひらく」の言葉をお贈りします。「念ず」は心の中で祈るという意味ですが、「我慢する」、「耐え忍ぶ」という意味も併せ持っています。辛いとき、苦しいときに、じっと我慢し、じっとこらえて、よい時期が来るのを待ち続ける。そうすると、必ず花はひらき、幸せは訪れるはずです。
「念ずれば 花ひらく」という言葉をかみしめながら、卒業生の皆さんが中学校を巣立ち、新しいステージで、自らの新しい一歩を踏み出されることを心から応援しています。ますますの御健康と、洋々たる前途に幸多からんことをお祈りし、式辞といたします。
2023年3月17日
松山東雲中学校長 染田 祥孝