2024年3月18日月曜日

修了式  式辞 

 松山城の木々も春めこうとする今日の佳き日に、御来賓の御臨席を賜り、2023年度松山東雲中学校の修了式を挙行できますことは、我々教職員一同、この上ない喜びであり、本日ここにお集まりくださいました、すべての皆様に厚く御礼申し上げます。
 とりわけ、卒業生の保護者の皆様には、本校入学以来、健やかな成長を願われての日々、「朝なかなか起きてこない」「あれほど好きだった部活を、突然やめると言い出す」「食が進まない」「笑顔が消える」など、様々な御苦労や御心配がお有りだったと思います。たくさんの苦難を乗り越え、本日、お子様は晴れの御卒業となりました。心からお慶びを申し上げます。
 ただ今、卒業証書を授与いたしました31名の卒業生の皆さん、おめでとうございます。皆さんの、これまでの学習における頑張りや、体育祭、クローバーディ、スプリングフェスティバルなどの各種行事、部活動での活躍ぶりは、たいへん素晴らしく、私はいつも感心させられました。とりわけ、あいさつ、お辞儀、掃除態度は、天下に誇る「東雲レディ」の伝統となっています。
 中国の古典に「人の短を言うことなかれ。己の長を説くことなかれ」という言葉があります。「他人の短所をとやかく言ってはならない。自分の長所を誇って口にしてはならない」という意味です。人の悪いところを口にすることは、その人の前でも、陰でも慎みましょう。また、自分の自慢話は控えましょう。人の良いところを見つけ、それを相手や他の友達に伝え、自分も見習っていくようにしましょう。そうすれば、おのずと、人があなたを褒めてくれるようになるでしょう。人の「良いところ探し」は、あなた自身を大きく成長させてくれるはずです。
 これからの社会では、「人間関係を築く力」が重要とされていますが、今、さらに、求められているのは「人間関係を元に戻す力」です。そして、修復していくための手立ては、昨日までと変わらない「笑顔」と「元気な挨拶」です。まさに、人間関係をよりよく築いていく手立てと同じ「笑顔」と「挨拶」です。
 卒業生の皆さん、「笑顔」と「元気な挨拶」を心がけ、心に「愛」を持って、人に優しく接していきましょう。「希望」と「勇気」を持って、社会をより良く変えていきましょう。
 親元を離れて3年間頑張った人、これから親元を離れていくという人、様々な人がいますが、卒業生の皆さんが、新しいステージで、自らの一歩を踏み出されることを心から応援しています。ますますの御健康と、洋々たる前途に幸多からんことをお祈りして式辞といたします。

2024年3月8日金曜日

弥生の第2週です

 今週は、3月の第2週です。卒業式で高校3年生を送り出し、少し寂しい気持ちにもなりますが、国公立大学を目指していた人たちが、念願の志望校に合格するという明るい知らせも届き、心が和む春の日です。
 水曜日は、「しののめキッチン」が高校生を対象に開かれ、私も「三色丼」をおいしくいただきました。とりそぼろと卵の調和がとれていて、緑のほうれん草が栄養たっぷり感を醸し出していました。桜餅には、本物の桜の花びらが添えられていて、季節感満点のデザートでした。

 中学3年生は、先週の土曜日から、オーストラリアへ修学旅行に行っていましたが、7日の木曜日に、全員無事で学校に帰ってきました。参加者の皆さんは、様々な経験を積んで、出発前よりも一段とたくましくなっていました。写真や詳しい内容は、また後ほど、インスタグラムでアップされると思います。

 金曜日には、中学1年生のお茶会に参加させていただきました。1年間の修練で、立ち居振る舞いが洗練され、お茶の作法がしっかりと身についていました。「茶の湯」という、静寂な空間をみんなで創り上げることができていました。中学2年生には、お花を生けていただきました。「雪柳」の白と、「椿」の緑、「小菊」の黄色の3色のコントラストが美しく、「雪柳」の枝ぶりのダイナミックさが部屋全体に活気を生み出しています。
 今日の会話は、「春休みにしたいことは何ですか」という問いに対して「部活にゆとりがあれば、祖母の家を訪れたいです」「時間があれば、桜の花見をしたいです」「県外に居る友達に会いたいです」という答えが返ってきました。皆さんの「春休み」の予定はいかがでしょうか。

 まだ寒い日もありますが、弥生第2週が終わりました。皆さんにとりまして、すてきな週末となりますように。


2024年3月1日金曜日

卒業式  式辞

 厳しかった冬が過ぎ、松山城の木々がうっすらと春色をまとい始めようという今日の佳き日に、御来賓の皆様の御臨席を賜り、第75回松山東雲高等学校の卒業証書授与式を挙行できますことは、我々教職員一同、この上ない喜びであり、御臨席を賜りました皆様方に厚く御礼申し上げます。
 また、卒業生の保護者の皆様には、本校入学以来、お子様の健やかな成長を願われての日々だったと思いますが、ある日突然、あれほど好きだった部活動をやめると言ったり、朝ご飯を食べなくなったり、笑顔が消えて無口になったりと、様々な御苦労や御心配がお有りだったと思います。様々なドラマを繰り広げながら、本日、お子様は、艱難辛苦を乗り越えて、晴れの御卒業となりました。心からお慶びを申し上げます。
 ただ今、卒業証書を授与いたしました78名の卒業生の皆さん、おめでとうございます。皆さんの、これまでの学習における頑張りや各種行事、部活動での活躍ぶりを見て、私はいつも感心させられました。特に、最高学年になった、今年一年、体育祭やクローバーディなどで、皆さんは、自分たちの良いところを遺憾なく発揮されました。
 さて、皆さんが踏み出そうとしている社会は、さまざまな分野において、急激な変化や改革が進んでおり、時として戸惑いや焦りを感じることがあるかもしれません。しかし、恐れることはありません。皆さんは、本校で「優しさ」という、誇るべき力を身につけてきました。これから先、「優しさ」はどのようなときも、あなたを助けてくれるはずです。
 昭和の時代に、体の不自由な子供たちのために私財を投じて「ねむの木学園」を建設された、女優の宮城まり子さんは、「ねむの木のこどもは優しいの。病気を我慢して乗り切ったから優しいの。次は人に優しくすることを覚える。優しいことは強い」とインタビューでおっしゃっていました。
 様々な困難や苦労を、心の肥やしとして身につけた「優しさ」は、闘うための武器ではなく、闘わない、争わないための「支え」となるものです。
 これは、本校の重点努力目標、「心に愛と希望と勇気」をの、「愛」と深く関わります。相手への思いやりを持ち、人も、自分自身も大切にする「愛」。そして、どのような他者であっても、その人の苦しみや悲しみを想像することで、結果としての「罪」や「過ち」を許してあげる「寛容さ」。これもまた「愛」であります。
 皆さんは、「愛」を大切にしてきました。そして、他者を思いやり、優しい気持ちで接し、「過ち」を許す広い心を養ってきました。
 これからの社会では、「人間関係を築く力」「人間関係構築力」が重要とされていますが、さらに今、求められているのは「人間関係を元に戻す力」「人間関係修復力」であります。そして、修復していくための手立ては、昨日までと変わらない「笑顔」と「元気な挨拶」です。まさに、人間関係をよりよく築いていく手立てと同じ「笑顔」と「挨拶」です。
 卒業生の皆さん、「笑顔」と「元気な挨拶」を心がけ、心に「愛」を持って、人に優しくしていきましょう。「希望」と「勇気」を持って、社会をより良く変えていきましょう。「東雲レディ」として、人に優しい、ほっとするような、温かみのある社会を創っていきましょう。

 それでは、いよいよ旅立ちの時がやってきました。卒業生の皆さんが本校を巣立ち、新しい世界で、自らの新しい一歩を踏み出されることを、この「東雲」の優しい先生方は、心から応援しています。皆さんのますますの御健康と、洋々たる前途に幸多からんことをお祈りし、式辞といたします。

2024年3月1日
               松山東雲高等学校長  染田 祥孝