松山城の木々も春めこうとする今日の佳き日に、御来賓の御臨席を賜り、2023年度松山東雲中学校の修了式を挙行できますことは、我々教職員一同、この上ない喜びであり、本日ここにお集まりくださいました、すべての皆様に厚く御礼申し上げます。
とりわけ、卒業生の保護者の皆様には、本校入学以来、健やかな成長を願われての日々、「朝なかなか起きてこない」「あれほど好きだった部活を、突然やめると言い出す」「食が進まない」「笑顔が消える」など、様々な御苦労や御心配がお有りだったと思います。たくさんの苦難を乗り越え、本日、お子様は晴れの御卒業となりました。心からお慶びを申し上げます。
ただ今、卒業証書を授与いたしました31名の卒業生の皆さん、おめでとうございます。皆さんの、これまでの学習における頑張りや、体育祭、クローバーディ、スプリングフェスティバルなどの各種行事、部活動での活躍ぶりは、たいへん素晴らしく、私はいつも感心させられました。とりわけ、あいさつ、お辞儀、掃除態度は、天下に誇る「東雲レディ」の伝統となっています。
中国の古典に「人の短を言うことなかれ。己の長を説くことなかれ」という言葉があります。「他人の短所をとやかく言ってはならない。自分の長所を誇って口にしてはならない」という意味です。人の悪いところを口にすることは、その人の前でも、陰でも慎みましょう。また、自分の自慢話は控えましょう。人の良いところを見つけ、それを相手や他の友達に伝え、自分も見習っていくようにしましょう。そうすれば、おのずと、人があなたを褒めてくれるようになるでしょう。人の「良いところ探し」は、あなた自身を大きく成長させてくれるはずです。
これからの社会では、「人間関係を築く力」が重要とされていますが、今、さらに、求められているのは「人間関係を元に戻す力」です。そして、修復していくための手立ては、昨日までと変わらない「笑顔」と「元気な挨拶」です。まさに、人間関係をよりよく築いていく手立てと同じ「笑顔」と「挨拶」です。
卒業生の皆さん、「笑顔」と「元気な挨拶」を心がけ、心に「愛」を持って、人に優しく接していきましょう。「希望」と「勇気」を持って、社会をより良く変えていきましょう。
親元を離れて3年間頑張った人、これから親元を離れていくという人、様々な人がいますが、卒業生の皆さんが、新しいステージで、自らの一歩を踏み出されることを心から応援しています。ますますの御健康と、洋々たる前途に幸多からんことをお祈りして式辞といたします。