2026年3月18日水曜日

修了式  式辞

 春の暖かさが心地よく感じられる、今日の佳き日に、御来賓の御臨席を賜り、2025年度松山東雲中学校の修了式を挙行できますことは、我々教職員一同、この上ない喜びであり、本日ここにお集まりくださいました、すべての皆様に厚く御礼申し上げます。
 とりわけ、卒業生の保護者の皆様には、本校入学以来、健やかな成長を願われての日々、様々な御苦労や御心配がお有りだったと思いますが、たくさんの苦難を乗り越え、本日、お子様は晴れの御卒業となりました。心からお慶びを申し上げます。
 ただ今、卒業証書を授与いたしました36名の卒業生の皆さん、おめでとうございます。皆さんの、これまでの学習における頑張りや、各種行事、部活動での活躍ぶりは、たいへん素晴らしく、私はいつも感心させられました。
また、一年生の時からのお茶、お花、お箏とよく頑張り、校長室にも何度も足を運んでいただきました。皆さんの思いやりや優しさにいつも感謝してきました。ありがとうございました。

 さて、今日は、人の長所、短所についてお話します。私自身の「人間観」つまり「人というものは、こういうものだ」という考え方の一つとして、「人には良いところもあれば、悪いところもある。」という「人間観」があります。だからこそ、教育や修養によって、人は良いところを伸ばし、悪いところを小さくしていけばよいと思っています。相手の良いところを見て、素晴らしいと思うことができたらいいなと思います。
 中国の唐の時代の「太宗」という皇帝も同じ考え方をしており、「人に完璧であることを求めるな。人の欠点や短所はそのまま捨ておいて、優れているところを用いるべきだ」と述べています。家来の長所に目を向け、よいところが発揮されるように政治を行ったところ、国が栄え、人々が平安に暮らせたということです。

 また、中国の古典である漢文の一節に、「人の短を道ふこと無かれ、己の長を説くこと無かれ」という言葉があります。「他人の短所をとやかく言ってはならない、自分の長所を誇って口にしてはいけない」という意味の言葉です。とかく、人の欠点や粗は目につきやすく、つい相手に文句を言ったり、別の人に悪口を言ったりしてしまいます。でも、それが良いことかというと、良いことではありません。人間関係を壊し、争いを生み、ひいては自分自身の信用も失います。やはり、基本的には「人の短は道ふこと無かれ」なのです。「人の短」についは心の中でため息をつき、時間をおいて、許していきましょう。時間がたてば、腹立ちも収まります。その人もいつかは気づくでしょう。成長するでしょう。
 それでも、どうしても困る場合は、信頼できる方に相談しましょう。悪口や陰口や告げ口ではなく、相談して解決していきましょう。
 自分自身誇らず、人の悪口を言わず、善い行いを重ねれば、「陰徳ある者は、必ず陽報あり。」で、人知れず徳を積めば、必ずはっきりと目に見える形で良い報いがもたらされ、人は幸せになっていくものなのです。
 中国三千年の歴史の中で作られた格言が、それを物語っています。
 
 ただ、自分の至らぬ点、短所については、親友や親や先生などが、善意で指摘してくれた場合は、その時は素直に受け止めて、その過ちを改めていきましょう。まさに、「過ちては、改むるに憚ること無かれ」です。より良い自分を作っていきましょう。自分を磨いていきましょう。面と向かって注意をしていただく先生や親、友達は、皆さんのかけがえのない宝物なのです。皆さんのことを想って、あれこれ指摘していただく方は、なかなか得難い、ありがたい存在なのです。

 今日は、漢文の授業のようになりましたが、
 「人の短を道ふこと無かれ」
 「陰徳ある者は、必ず陽報あり」
 この二つの言葉を、今後のステージで、座右の銘にしていただけたら、ありがたいです。

 卒業生36名の中には、親元を離れて3年間頑張った人も多くいます。夢をかなえるため、東雲に残る人、故郷へ錦を飾る人、はたまた、違った道を歩む人、様々ではありますが、卒業生の皆さんが、新しいステージで、自らの第一歩を力強く踏み出されることを心から応援しています。皆さんはどこへ行っても「東雲ファミリー」です。いつまでも、仲間です。
 皆さんのますますの御健康と、洋々たる前途に幸多きことをお祈り申し上げて式辞といたします。

2026年3月18日
                  松山東雲中学校 校長 染田 祥孝