正門からの坂道の木々も春めこうとする今日の佳き日に、御来賓の皆様の御臨席を賜り、2024年度松山東雲中学校の修了式を挙行できますことは、我々教職員一同、この上ない喜びであり、本日ここにお集まりくださいました、すべての皆様に厚く御礼申し上げます。
とりわけ、卒業生の保護者の皆様には、本校入学以来、健やかな成長を願われての日々、「朝なかなか起きてこない」「食が進まない」「笑顔が消える」など、様々な御苦労や御心配がお有りだったと思います。たくさんの苦難を乗り越え、本日、お子様は晴れの御卒業となりました。心からお慶びを申し上げます。
ただ今、卒業証書を授与いたしました33名の卒業生の皆さん、おめでとうございます。皆さんの、これまでの学習における頑張りや、体育祭、クローバーディ、スプリングフェスティバルなどの各種行事、部活動での活躍ぶりは、たいへん素晴らしく、私はいつも感心させられました。とりわけ、あいさつ、お辞儀、掃除態度は、天下に誇る「東雲レディ」の伝統となっています。
また、一年生の時からのお茶、お花、お箏とよく頑張り、校長室にも何度も足を運んでいただきました。皆さんの思いやりや優しさにいつも感謝してきました。ありがとうございました。
さて、愛媛にゆかりの深い山頭火という俳人がいますが、山頭火が松山にやってきたとき、中心となって衣食住のお世話をした方に、高橋一洵という方がいます。松山大学の先生でもありましたが、人のために心底尽くす姿勢や生き方が素晴らしく、「一洵菩薩」とまで呼ばれた方です。その先生が教え子の学生たちによく書いていた言葉、自由律俳句があります。それは、「悲しいときには泣いたらなおる青い山脈」という言葉です。人生、山あり、谷ありですが、まさに悲しいときは泣いて、泣いて、涙枯れるまで泣いて、そして立ち上がっていきましょう、と呼びかけているのです。悲惨な戦争を経験し、空襲を受け、苦しい中から立ち上がっていった、戦後間もない、当時の人々の心に響く言葉だったに違いありません。
これからの社会では、「人間関係を築く力」が重要とされていますが、今、さらに、求められているのは「人間関係を元に戻す力」です。そして、修復していくための手立ては、昨日までと変わらない「笑顔」と「元気な挨拶」です。まさに、人間関係をよりよく築いていく手立てと同じ「笑顔」と「挨拶」です。
「悲しいときは、泣いたらなおる青い山脈」
「青い山脈」は、故郷の山々、心のよりどころであり、また、幸せの象徴、未来への希望を示すものでもあります。
生きていく中で、悲しいこと、苦しいことがあっても、それを乗り越え、「笑顔」と「元気な挨拶」を心がけ、心に「愛」を持って、人に優しく接していきましょう。「希望」と「勇気」を持って、社会をより良く変えていきましょう。
親元を離れて3年間頑張った人、これまでとは違う道を歩む人、様々ではありますが、卒業生の皆さんが、新しいステージで、自らの第一歩を力強く踏み出されることを心から応援しています。
ますますの御健康と、洋々たる前途に幸多きことをお祈り申し上げて式辞といたします。
2025年3月18日
松山東雲中学校長 染田 祥孝